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【コレクション 】7月の「今月の一品」を公開しました

2021.07.01

1955年、鉛筆・水彩・紙、33×24cm

舞妓

東郷青児

東郷青児にしては珍しく和装の舞妓がモデルである。画用紙の右下に「京大和 青児 26. 7. 30」と書込みがあり、ヨーロッパ式に「日、月、年」の順で読めば昭和30(1955)年7月26日の制作と思われる。実際、この素描と瓜二つの油彩画《京風》が同年9月の第40回二科展に出品されている。終戦からずっと白いウェーブヘアの洋風美人を描いてきた東郷は、前年の第39回二科展に初めて《日本髪》と題し、明確に日本人とわかる女性像を出品した。さらにその前年の1953年には、東京国際空港(羽田)の国際定期便が運航を開始、占領期の終わりを印象づけていた。時代の気分に敏感であった東郷が「世界から見た日本」をいち早く表現した一枚といえるだろう。

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