コレクション
ゴッホの《ひまわり》と
洋画家・東郷青児の作品を中心とした
約640点のコレクション
当館のコレクションは、1978年に逝去した洋画家・東郷青児の遺族から寄贈を受けた作品345点(うち青児の作品156点、その他は青児の収集品)から始まりました。青児は安田火災とその前身会社の時代から印刷物のデザインを手がける間柄でした。その後、安田火災が創立100周年事業として購入した、ゴッホ《ひまわり》をはじめ、ルノワール、ゴーギャン、セザンヌなどの印象派とポスト印象派やアメリカの素朴派画家グランマ・モーゼスの作品などを受託し、さらに美術家の支援・表彰事業による買い上げ作品も加わり現在約640点となりました。
※当館は企画展を中心に開催しており、常設展はありません。
コレクションハイライト
今月の一品

1915年、油彩・キャンヴァス、153×75.4cm
コントラバスを弾く
モデルはコントラバス奏者の原田潤である。東郷は後に原田の妻となる青鞜社の安田皐月の店で原田を知り、原田を介して作曲家の山田耕筰を知った。浅草オペラにも夢中だった東郷は、山田の主催する東京フィルハーモニーの練習所に出入りし、音楽・舞台・美術を融合させる欧州の新しい芸術の薫陶を受けた。練習所の一隅で描いた油絵に、東郷は音楽と動きを表そうとしたという。1915年9月、東郷は山田の勧めで初個展「東郷青児個人展覧会」(日比谷美術館)を開き、本作品を含む21点を発表した。大胆なデフォルメはまだ目新しく、「立体派」「未来派」など、日本に紹介され始めたばかりの欧州の前衛運動と呼び名とともに新聞記事で取り上げられた。
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ひまわり
1888年 油彩・キャンヴァス
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アリスカンの並木路、アルル
1888年 油彩・キャンヴァス
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りんごとナプキン
1879-80年 油彩・キャンヴァス
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超現実派の散歩
1929年、油彩・キャンヴァス、64×48.2cm、初出:第16回二科展(旧題「Déclaration 〈超現実派風の散歩〉」)
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浴女
1892-93年頃 油彩・キャンヴァス
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葉桜
1921年 絹本彩色(四曲一隻)
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帽子の娘
1910年 油彩・キャンヴァス
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ピエロ
1926年、油彩・キャンヴァス、90.8×63.4cm、初出:第15回二科展 特別陳列(第一回昭和美術奨励賞)
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黒い手袋
1933年、油彩・キャンヴァス、119.2×68.2cm、初出:第20回二科展(旧題「散歩」)
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婦人像
1936年、油彩・キャンヴァス、73.3×53.5cm、初出:第1回春季二科展
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古城
1970年、油彩・キャンヴァス、60.6×50.2cm、初出:東郷青児新作展(1972年)
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女体礼賛
1972年、油彩・キャンヴァス、145.8×89.5cm、初出:第57回二科展
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『ファン・ゴッホ展』カタログ
1892年、リトグラフ・紙、17.5×21cm
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タッシリ
1974年、油彩・キャンヴァス、226.5×181.5cm、初出:第59回二科展
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鳥と少女
1971年、油彩・キャンヴァス、91.1×66.2cm、初出:東郷青児新作展(1972年)
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自画像
1914年、油彩・板、32.8×23.6cm