SOMPO美術館についてごあいさつ

 当館は1976年、安田火災海上(現・損保ジャパン)本社ビル42階に東郷青児美術館として誕生いたしました。館名が示すとおり、美術館を構想した際には、安田火災とゆかりの深かった東郷青児からコレクションの提供を受け、主に画伯の自作を常設する美術館としてスタートいたしました。その後、1987年には、ファン・ゴッホの《ひまわり》を収蔵、コレクションを拡充しつつ次第に企画展、特別展へと活動を広げ、高層階からの都心の眺望も魅力の一つとして、2019年には累計来場者600万人を記録いたしました。

 企業を母体に社会貢献を目的に美術館を設立して44年を経た2020年3月、同ビル敷地内に完成した新美術館棟への移転を前に当初の美術館はその歴史に幕を閉じ、同年4月からは館名をSOMPO美術館に改め、6階建の美術館に生まれ変わって新たな歴史を刻むことになりました。

 SOMPO美術館のアートを想起させる彫刻のような建物には、東郷作品からインスピレーションを得た柔らかな曲線を取り入れ、大きなガラスを用いたエントランスが皆さまをお迎えします。前庭には収蔵するファン・ゴッホの《ひまわり》の陶板複製画、外周には館のマーク・ロゴをデザインした青や赤のフラッグが、この地域のアートランドマークとして文化的空間を演出します。

 白を基調とした空間に作品が浮かび上がる展示室、鑑賞の余韻を楽しめる高い天井に柔らかく包まれた2階のミュージアムショップやカフェ(土日祝営業)で、心地よい時間をお過ごしいただければ幸いです。

 SOMPO美術館のブランドメッセージは、「この街には《ひまわり》がある。」といたしました。ファン・ゴッホの《ひまわり》や東郷青児などの収蔵作品を未来に継承し、新宿区立の小中学校が行う「美術鑑賞教育」支援など、地域に密着した活動にも取り組みながら、この街から末永く芸術・文化を発信して参ります。

この街には《ひまわり》がある。

SOMPO美術館 館長