お知らせ

【コレクション 】8月の「今月の一品」を公開しました

2022.08.01

1970年、油彩・キャンヴァス、130.5×89.6cm

東郷青児

繊細な指先にとまる蝶が作品名になっている。女性の背景に緑色の濃淡で構成された幾何学的な形は、東郷が喫茶店や百貨店を彩る大きな装飾画を描くなかで、植物や山並みなどの自然のモチーフから次第に抽象化させてきたものである。本作は安田火災(現・損保ジャパン)のカレンダーのために制作されたため、渋い色合いの中にも現代的な装飾性を意識したと思われる。東郷は戦後の作品の多くに彩色したマットを仕込んだステンレス製の額縁を誂えた。マットの素材や色調は作品に応じて微妙に変えられており、キャンヴァスだけで作品を見る時とはまた異なる華やかさが加わる。本作のマットは、画面右上のぼかしに連なる淡く暖かみのあるグレーである。

そのほかの「コレクション」はこちら

Follow us