『巴里』
東郷青児 装丁・扉絵
柳澤健(1889-1953)のエッセイ集。柳澤は詩人であると同時に、30歳代から外務省の駐在員として各国に滞在した。「装幀は、十数年前巴里で初めて逢ひ一緒に遊び廻つた東郷青児君を煩はした。欣んで僕の需めに応じて呉れた君の友情に感謝している」(「序の言葉」本書2頁より)。東郷の回想によれば、初めての渡仏時に「パリのガール・ド・リオンには死んだ柳沢健と小松耕助さんが迎えに来てくれた。このお二人が、どうして私を出迎えてくれたのかこれも前後の事情がいっこうに思い出せない。/私はその人たちの案内で、アベニュー・ディエナのホテル・ディナにひとまず落ち着いたのだった」(「私の履歴書24 パリ入り」日本経済新聞、1960年9月4日朝刊)
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