1973年、鉛筆・水彩・紙、20.4×13.6cm
スケッチ（ブルターニュ、ヘア）[3枚組の１枚]
東郷青児
画面の右下の書き込みは「13 juin 73, Brtagne Brignogan」と読める。制作日が1973年6月13日、場所はフランス北西部のブルターニュ地方の半島の先端で、北のイギリスに面した町ブリニョガン＝プラージュ（Brignogan-Plages）だと思われる。この地の海岸は砂浜に岩や岩礁が接した複雑な地形で、古くから漁が細々と営まれてきたが、19世紀に海水浴のリゾートとして発展した。男達が着ているボーダーシャツはフレンチ・ファッションでお馴染みのアイテムである。もともとこの地域の船乗りが横縞のセーターやシャツを着ていたため、そこから「ブルトン・シャツ」とも呼ばれるという。ボーダーシャツは1920年代に画家やファッション界で流行し、ピカソが愛用したことでも知られている。
