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【コレクション 】6月の「今月の一品」を公開しました

2023.06.01

昭和書房(東京)、1947年1月25日発行、山田俊幸氏より寄託

式場隆三郎・著『サド侯爵夫人』 高橋国利・挿絵

東郷青児 装幀

サド侯爵の先駆的な紹介者である式場隆三郎(1898-1965)がPaul Ginisty著 “La Marquise de Sade”(Paris, Bibliothéque-Charpentier, 1901)をもとに執筆したという侯爵夫人の評伝。装幀が東郷青児である。サド侯爵はフランス革命期に道徳・宗教・法律すべてからの自由と個人的快楽を追求し、その名が“サディズム”の語源になった。式場は精神科医でありながら、白樺派に傾倒し芸術の研究と普及に生涯を捧げた。ゴッホ伝、民芸運動、女性の解放や障害児教育など多岐にわたる著作を発表し、劇団民藝の演劇『炎の人 ヴァン・ゴッホの生涯』の製作顧問を務め、山下清の制作発表を支援し、初期から草間彌生の理解者であった。同書の巻末には式場訳『ヴァン・ゴッホ自叙伝』(書簡集、全四巻)の広告が掲載されている。

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