SOMPO美術館についてごあいさつ

 1976年7月、当館は安田火災海上(現・損保ジャパン)本社ビル42階に「東郷青児美術館」として開館いたしました。当時、安田火災と縁の深かった東郷青児画伯よりコレクションの提供を受け、主に画伯の自作を常設展示する美術館として、歴史の一歩を踏み出しました。 その後、1987年にはフィンセント・ファン・ゴッホの《ひまわり》を収蔵するなどコレクションを拡充し、特色ある企画展や特別展を積極的に開催してまいりました。高層階から望む都心の眺望とともに、多くの皆様に親しまれた日々は当館の礎となっています。
 開館から44年の時を経て、2020年7月には、隣接地に建設された新美術館棟へと移転。高層階での歴史に幕を閉じ、新たな時代を拓く「SOMPO美術館」として再出発いたしました。困難なコロナ禍において一度は断念せざるを得なかった「ゴッホと静物画」展は2023年秋に念願の開催を果たし、また2025年8月には累計入館者数700万人を達成することができました。そしていよいよ2026年には開館50周年という記念すべき大きな節目を迎えます。これもひとえに、長きにわたり美術を愛し、温かいご支援とご厚情を賜りました全ての皆様のおかげに他なりません。心より深く感謝申し上げます。
 つきましては、2026年1月より1年2ヶ月にわたり、「美術・新宿・ココロの再発見。」をメインテーマに、開館50周年記念事業を展開いたします。この事業では、単に過去を振り返るだけでなく、美術作品に新たな光を当て、ご来館いただく皆様お一人おひとりがご自身の心と向き合い、また、当館が所在する新宿という街の魅力を再認識できる、かけがいのない機会をご提供したいと願っております。
 SOMPO美術館は、これからも美術と、この新宿の街と、当館を支えてくださる皆様とともに歩み、心豊かな社会の実現と芸術文化の未来への継承に尽力してまいる所存です。
 皆様のご来館を心よりお待ちしております。

この街には《ひまわり》がある。

SOMPO美術館

館長 西脇芳和